言語聴覚士とは、音声や言語や聴覚機能に障がいを持つ人の機能の維持向上を目的に、訓練や検査などの支援を行う仕事です。小さな子どもから高齢者まで、さまざまな原因で起こる機能の症状について、専門的な知識を生かして対処法を見つけ、改善を図る役割を担っています。今回は、そんな言語聴覚士の主な仕事内容を紹介していきます。

まずは「発話の訓練」です。失語症や記憶障害などの言語障害によって、話せなかったり文字が読めないなどといった症状が起きている人に対し、発話の訓練を行います。言語障害が起きている原因を踏まえ、リハビリで声帯や唇の動かし方などの改善を図り、機能の回復を目指します。また、「嚥下の訓練」もあります。食べ物を上手く食べられない(飲み込めない)人に対し、対処を行います。食事の時の状態を観察し、嚥下障害の症状に合わせて唇や舌の動かし方の訓練をしたり、飲み込むための反射を改善するための訓練などを行います。

同時に「言語障害を持つ子どもへの訓練」にも対応します。病気などが原因で言語障害の症状が出ている子どもに対し、原因に合わせて訓練や指導を行います。例えば、言葉の発達が遅れている子どもであれば、絵本やおもちゃなど興味を持つものを通して発達を促すようにします。また周辺環境を整えるために、保護者への助言や教育機関との連携も行います。そして「聴覚の支援」にもあたります。難聴など先天的・後天的な聴覚障害がある人に対し、訓練や指導といった支援を行います。聴覚検査のほか、補聴器や人工内耳のフィッティングなども担当します。